家の”耐久性”
企画管理部の山下です。
先日、劣化対策アドバイザーの資格を取得しました。
読んで字のごとく、「劣化」に対しての「対策」を「アドバイスできる人」になった、ということです。
劣化という単語ですぐに思いつくのは「経年劣化」でしょうか。
プラスチック製品は、紫外線や温度、酸化が原因で劣化しますし、紙は含まれている不純物のせいで黄色く変色しますね。
すぐに見えるもの、隠れていないものの異変に気付くことは多いですが、気づかない、または気づきにくい箇所は劣化しないのかと言うとそんなことはありません。
壁の内側や床下、天井裏などなかなか見ることができない箇所も劣化条件が重なると耐久性に問題が出る可能性は十分にあります。
キチンと換気経路を確保し、換気計算で必要な量を換気していくことが大切で、住宅の居室は0.5回/時間の換気設備を設置することが義務付けられています。
つまり、2時間に1回は家中の空気が入れ替わる仕組みでなければならない、ということです。
これがうまくいかないと、部屋の空気が滞って湿気がたまりやすくなってしまい、 湿気の多い環境では結露やカビが発生しやすくなる、結果として住む人にとっても、家にとっても健康寿命を縮めてしまうことにつながります。
部屋の角や壁にぴったりくっつけてある家具を動かしたら、裏側にカビが生えていた!なんて経験はありませんか?私はあります・・・。特にMDFと呼ばれる素材でできた家具は耐水性が低く湿気に弱いため、カビが発生しやすいんです。
これは、素材のせいということもあるかと思いますが、家具と壁の間の換気ができていないことも原因です。
それほど、家の中の換気は大切なんですね。
長くなりましたが、いよいよ本題です。今日は劣化対策をどのように講じて、どのように評価するのか、ということをお伝えしようと思います。
換気が必要なこと以外には、シロアリ対策も劣化対策として考えます。
シロアリはご存じのとおり、家にとっての天敵です。
家を建てるときにはたくさんの木を使いますが、木材は乾燥させたものを使います。水分量が減るにつれて繊維同志の結合が強固になり強度が増します。だから、家を建てる時は乾燥した木材を使うんですね。軽い、加工がしやすいのも木の特徴です。
シロアリの好物は、水分、木材、湿気です。
いくら耐震性が高い家でも、木材がシロアリ被害に遭っていたら・・・。耐久性と耐震性は全く別物ではないと考えてよさそうです。
では、アオバクラフトではどのように対策しているかと言うと、
・配管部(穴も空けますし、水分もある箇所)には、ホウ酸入りシーリング材のボレイトシール® で長期間の効果を維持します。
・構造部には、ホウ酸を水溶液で処理するボロンdeガード®工法で長期間の効果を維持します。
ホウ酸は温泉成分としても有名ですし、スライムを作る材料としても使われるくらいですので、人体には無害です。(よほど大量に摂取しなければ、ですが・・・)
人体には無害なのに、シロアリには効果がある理由は、人間にあってシロアリにないもののおかげです。
それは、「腎臓」があるかないか。体に入ったホウ酸は腎臓で代謝され、尿として排出されますが、シロアリには腎臓がないので代謝できず体内に溜まったまま蓄積され死滅します。
ゴキブリにホウ酸団子、というのもありますね。ゴキブリもまた腎臓を持たないため、同じ理由です。
一方、農薬(合成防蟻剤)の効果は短く、人体にも有害です。
【予防】シロアリが発生しないようにホウ酸の水溶液で土台等に処理をする
【対応】万が一、シロアリが発生した場合はすぐに除去する(この場合は殺虫剤のほうが即効性が高く有益です)
【対処】木材に水分やカビを寄せ付けない
【対策】メンテナンスを定期的に実施し、家の劣化状況を把握し、必要に応じて早めの修繕をする、効果が持続する処理を行う
第三者機関に認定してもらい、アオバクラフトの家は「劣化対策等級3(最高ランク)」を取得しています。
もちろん、評価の項目は換気やシロアリ対策だけではなく、防腐措置、防水措置も含まれています。
新築時にはどの家でもほとんどついているシロアリ保証ですが、保証期間をご確認ください。会社によって年数は異なります。
アオバクラフトでは6年目点検以降はお客様からのご依頼で点検を実施しています。
保証が切れている、切れる前に再処理の相談をしたい、などなど。お気軽にご相談くださいね。